何回かに分けて、『これぞ匠の技!』という修理例をお見せします。
写真はつい最近、独逸製組立収納(こう、中に墨で書かれていた)を修理したときのもの。
震災を経ているため、
扉は原形がどんなものかもわからない
あちこち飾りやパーツはなくなっている
という、へたをすると即処分というようなモノでした。
でも、こういうものこそ”職人の血が騒ぐ”わけで、
しばらくこの家具とにらめっこの日々を経て、
モリモリとパーツを作り上げ、
だんだんカタチになっていく、
「チョー気持ちいいー」仕事なわけです。
こういうものを修理していると、本当によく思うのですが、
「昔のもの」って本当に良くできています。
作り手の意思が感じられるというか。
機械がなくても何だってできてしまう。
だから、昔のモノをきれいに直し終わったときは、
大先輩から、
「若いのにちょっとはやるじゃないか」
と少しだけほめられている気もするし、
「機械に頼って、まだまだ半人前やな」
と叱られている気もするのです。