少し革のお話を。
布を発明する以前の人類は、動物の皮を衣服にしていました。
でも皮は腐るし、乾燥すると硬くなります。
この欠点を解消する為の作業が『鞣し(なめし)』です。
昔は動物の脂や草・木の汁に漬けたり、煙でいぶしたりしました。
現在では金属(クローム)やミモザ等から抽出したエキス(タンニン)で鞣すことがほとんどです。
ちなみに鞣す前の状態を『皮』、後を『革』と呼びます。
さてさて家具の修理のお話。
昔からよく、
「革のソファが、座面やアームだけ擦れて汚くなった。何とかならないか?」と聞かれます。
解決策としては、
①全体を張替え(革・布・合皮)
②一部を張替え(本体は革で残して、クッション部分のみ布など)
例
http://www.fuji21.co.jp/blog/diary.cgi?no=80
③革を塗装する
例
http://www.kagusyuri.com/repair/repair04_repaint/repaint_leather01.htm
④一部だけ革で張替えてその部分だけ塗装する。
そして今回ご紹介するのは、
⑤要らなくなったソファの革を移植する
というもの。
もちろん多少の色の違いは出ますが、不要なものを再活用できてとってもエコなやり方です。
仕上がりもバッチリ!
昔は、①の全体を張替えるという方法しかご提案できなかったのですが、いろいろ経験を積むうちに多くのメニューが加わってきました。
より多くの選択肢の中から選んでいただけるよう、日々精進いたします。