私たちの椅子張り工房の親方は『1級技能士』の資格を持っています。
れっきとした国家資格であり、椅子やソファを作る人間にとっては最高の資格です。
ちなみに大阪地区では2年に1回しか試験が行われず、前回の合格者はたった4名(前回は3名)という難関。
その実技試験は、昔ながらのバネを使った工法で、制限時間内に機械を使わずに綺麗に仕上げられるかどうかを競います。
『機械を使わず』という部分がとても厄介で、
「今の世の中、いろいろ便利な電動工具があるのに、なんて時代遅れな試験なんだ!」
と言って敬遠する人も多いのですが、実はこの『手作業』は深い意味があり、やはり機械ではできない部分がたくさんあるのです。
例えば大工さんの世界で、『宮大工』と呼ばれる最高の技術を持っている人たちは、ノミとカンナと勘だけで、すごい建築物を作ってしまうことを考えて頂くと分かりやすいかもしれません。
手に勝る道具はやはり無いのです!