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うま革

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引き続き革のお話を。

前々から家具に使われる革の『質感』について疑問を持っていました。

せっかく革という天然素材なのに、家具用の革はなぜか革っぽくない。
触っただけでは正直、人工皮革との違いがよくわからない。


先日その答えを求めて姫路の革屋さんに行ってきました。
(姫路は全国でも有数の革の産地です)

そして行ってすぐに答えがわかりました。


「そりゃそうやで。家具屋さんはクレームばっかり言うから、こっちとしてはクレームが絶対無いように革の上にこれでもかって位塗りたくってるよ。」とのこと。


ちょっとでも洋服に色がついてしまったら革のせいにしてしまう。
汗がシミになっても、革が悪いと言う。
だから革屋さんは革の上にラッカーでベタベタに膜を付けてしまい、質感の悪い革が出来上がるわけです。


だったら僕達で概念を変えてしまおうと、その場で表面にコーティングしていない革を大量に購入して帰ってきました。

ウマの革で、牛に比べて薄くて強く、何より表面にコーティングしていないので質感がバツグンです。
コーティングしていないということは、当然強くこすったら色落ちします。
ですが、その分時々クリームを塗りこむと、それがすごくいい味になっていくんです。


早速試作の椅子を作ってみてハーバーランド店に展示したら、すごい反響です。


ぜひ実物を体感してみてください。

革の移植

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少し革のお話を。

布を発明する以前の人類は、動物の皮を衣服にしていました。
でも皮は腐るし、乾燥すると硬くなります。
この欠点を解消する為の作業が『鞣し(なめし)』です。
昔は動物の脂や草・木の汁に漬けたり、煙でいぶしたりしました。
現在では金属(クローム)やミモザ等から抽出したエキス(タンニン)で鞣すことがほとんどです。

ちなみに鞣す前の状態を『皮』、後を『革』と呼びます。

さてさて家具の修理のお話。

昔からよく、
「革のソファが、座面やアームだけ擦れて汚くなった。何とかならないか?」と聞かれます。


解決策としては、

①全体を張替え(革・布・合皮)

②一部を張替え(本体は革で残して、クッション部分のみ布など)

http://www.fuji21.co.jp/blog/diary.cgi?no=80

③革を塗装する

http://www.kagusyuri.com/repair/repair04_repaint/repaint_leather01.htm

④一部だけ革で張替えてその部分だけ塗装する。


そして今回ご紹介するのは、
⑤要らなくなったソファの革を移植する
というもの。

もちろん多少の色の違いは出ますが、不要なものを再活用できてとってもエコなやり方です。
仕上がりもバッチリ!


昔は、①の全体を張替えるという方法しかご提案できなかったのですが、いろいろ経験を積むうちに多くのメニューが加わってきました。


より多くの選択肢の中から選んでいただけるよう、日々精進いたします。

新たな挑戦 『リメイス』

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「壊れたら直して使う文化を日本に広めたい」という思いで8年ほど前に家具修理部門を立ち上げました。
当初から「家具の修理という分野を切り開き、質・量共に日本一になる」という目標を持ってきました。

昨年よりいろいろなメディアで取り上げていただいたこともあり、おかげさまで、取り扱い量は日本一レベルになりました。
質に関してはお客様に決めてもらうことなので自分達では何とも言えませんが、ただ提案するメニューの豊富さでは日本一という自信はあります。


そして、この8年間で得たさまざまなノウハウを活かし、このたび新たな挑戦を始めたいと思っています。

今まで埋もれてしまっていた家具たち(とりあえず椅子からはじめます)を魅力を取り戻し世に出してあげようと。

「壊れている」という理由でただのゴミになっていく家具を、私たちがリメイクし、なるべく安い価格で販売する。

ただ単に直すのではなく、リメイクするところがミソ。


名づけて『リメイス』


『リメイス』第一号は、カタチが綺麗なイスに、素材探しの旅の時に出会った、使えば使うほど味が出てくる馬革を張ってみました。

とってもいい雰囲気のチェアになりました。


現在神戸駅前のHDCビル地下1階にこの他12点を展示しています。

ぜひ触れてみてください。

扉だけのリフォーム

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以前に、『キッチンの扉を交換するだけ』というキッチンリフォームをご紹介しました。
↓↓↓
http://www.fuji21.co.jp/blog/diary.cgi?no=77

今回のキッチンリフォームも同じく扉のみ交換するものでしたが、前回とはまた違った、非常にシックなキッチンに仕上がりました。

昔からのお得意様で、実は別の用事で訪問させていただいていたのですが、その時にお客様が何気なく
「キッチンだけがどうしても気に入らないのよねえ~」
とおっしゃっていたので、
「扉だけ替えましょうか?」
とご提案しました。

「そんなことできるの!?考えたこともなかった!」

確かにそんなウラワザ的な発想は普通お客様では考えません。
でもこれが実に良いのです。

最終的に取り付けが完了するまで、お客様も想像がつかなご様子でしたが、次第に仕上がっていく様子をご覧になりながら”すごいね~”と感心していただき、そして最後の仕上がりには大絶賛をいただきました!


気軽にキッチンのイメージを変えたい方、
どうしても気に入ったキッチンがメーカーで見つからない方、
こだわりのキッチンを手に入れたい方、
お気軽にご相談ください。

蚊帳付きベビーベッド

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「ベビーベッドを修理してもらえますか?」

「もちろん!どんな修理ですか?」

「おじいさんがフレームだけじゃなく金網部分にもペンキ塗っちゃったのよ。それに所々金網が破れちゃって。」

「そうですか。ペンキが・・・エ???金網???」


金網についておそるおそる(冷汗)伺ってみると、子供を蚊や虫から守る蚊帳のようなものとのこと。(安心)


クーラーの無い時代、窓を全開にしていれば当然虫が入ってくるわけで、抵抗力の弱い子供を虫から守るために外国では普通にあった家具だそうです。

そういえば日本の『蚊帳』が今アジアでマラリア予防のためにすごく注目されている話を聞いたことがあります。


さてベビーベッドのお話。

何でもお客様がアメリカ在住時に使われていたもので、今度お孫さんができるので綺麗にしたい、というご依頼だったわけです。


大切に取っておかれた世代、それを大切に使ってくれようとしている世代、そしてそこで育っていく世代、その橋渡しのお手伝いが少しでもできるこの仕事って素晴らしい。

「物を大切にする」

「大切にすることを次の世代にきちんと教える」

これってとっても大切な教育だと思います。

社長デスク

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一枚板で作った社長室のデスク。

っていっても私のじゃありません。

店頭にあったカバの一枚板を気に入られて、『その木目をなるべく活かしたデスクを』というご注文でした。

写真からもわかるようにものすごーく厚い板。
しかもカバ材。
こんなデスクを普通に作ってしまったら、重すぎてとても搬入できません。

だから現場で組み立てられるように設計。

それでも重かった。。。


『社長室』でデスクに座ってゆっくり長期的な会社運営を考える。

そんな日を夢見つつ。。。本日も現場を飛び回ります。。。

材料を見極める

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木はいろいろな表情を持っています。

以前に広葉樹について少しご説明しました。
↓↓↓
http://www.fuji21.co.jp/blog/diary.cgi?no=88

樹は生きていくために色々な表情を作っていきます。

本当に樹のことをわかっている、マイスターたちは、樹が立っている姿を見ただけで
「ここでこうやって切ったら、こんな木目が出て面白いよ」
とわかってしまいます。

僕たちは正直まだまだその域には達していません。

実際に切ってみて、さらに塗装するまで毎回ドキドキワクワクしています。

実はその瞬間が楽しかったりするのですが、とはいえ『材料を見極める目』はものづくりの基本中の基本。

良い腕をもった板前さんは、当然良い目を持っていなければいけない。

僕たちも全く同じこと。


日々勉強です。

勝手口リフォーム

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なんだかまた「家具屋さんっぽくない」例です。

ご覧の通り、勝手口のリフォーム。

雨風にさらされて朽ちてしまった木のドアを、タモ(ASH)材で新調させていただきました。

コンクリート打ちっぱなしの外壁との相性バッチリで、お客様からは120点満点をいただきました!

チルチンびと

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こだわりの住まいを紹介している、『チルチンびと』という雑誌の今月号(6/5発売)『全国 家具の修理 対応店リスト』にご紹介いただきました。

この『チルチンびと』という雑誌は、
『モノや資源を大切にしたい』
『あたたかく暮らしたい』
そんなメッセージを発信しています。
(私なりの解釈ですが。。。)

その今月号に、お店としての紹介と、修理・リメイクした家具たちの写真がたくさん紹介されています。

機会があればぜひご覧になってみてください。


実はその本の中で、とても嬉しいことを発見しました。


うちが掲載されている、まさに同じページに『アトリエ・リキ』というお店が紹介されています。
実はそこは、学生時代にうちでアルバイトをして家具の修理を学んでいた吉樹君という好青年(運転は苦手)が、奥様と頑張ってやっているお店なのです。


雑誌の上とはいえ並んで紹介されるなんて・・・

大げさかもしれませんが、わが子の成長を見ている気持ちでした。

嬉しいのと同時に、『頑張って先を越されないようにしないと!』という焦りが昨日から工房全体に程よい緊張感をもたらしております。

家族みんな違った椅子で ~マイチェア~

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椅子の好みは人それぞれ。

身長も違えば体型も違う家族が同じ椅子で満足できるでしょうか。

揃った椅子の方がたしかにすっきり見えます。
マンションのモデルルームや、インテリア雑誌でもほとんどは同じ椅子がセットされています。

でも、家族それぞれ違った椅子を組み合わせても、それはそれで楽しい空間ができあがります。

だから富士でダイニングセットをご検討いただく際には、ぜひ家族みんなでお越しください。
そしてみんなでお気に入りの椅子を探してみてください。

ちなみにお子様たちも『自分の椅子』が決まっていると、不思議と大事に扱ってくれます。ちょっと汚してしまっても「自分の椅子だからきれいにしなきゃ」という意識が働くみたいです。


「あの時にいろいろ悩んで決めた」という思い出話で、10年後にまた家族の話題に取り上げてもらえたら。。。とても嬉しいです!